2016年03月20日
ひとっ走りして見てくるわ
176 : t[] : 投稿日:2003/01/26 17:47:00
わたしが大学の時に、群馬県の方に旅客機が墜落しました。
季節は巡り、悪友とツーリングに行こうという事になりコース関係上、墜落した付近の峠を走らねばなりませんでした。
悪友はいっさい、心霊や妖怪といったものは信じない人なので、「毎年、供養のために花とか関係者が上げているじゃ
ないか。出るわけないよ!」と、平気な顔をして言います。
わたしは彼に、「みんな(身体の部分)見つかっているわけじゃないだろ……あぶないって」
と、言ったのですが、聞くわけがありません。
だって、コースを変更すると、目的地へは4時間は余分にかかるのですから……。
しぶしぶ、そのコースを取ることとなりました。
果たして、問題の峠の入り口に着きました。路肩にバイクを止め、一休みしていると、悪友はわたしを尻目に、
「ひとっ走りしてくるわ」と言ってコースに入って行きました。
しかし、10分もしないうちに戻ってきます。戻ってきた友人に、「早かったな。何かあったのか?」
と聞くと、友人は何をあせっているのか、バイクのサイドスタンドさえ立てるのもおぼつきません。
平静を装おうとしますが、震える彼の手がすべてを物語っています。
ようやく、ヘルメットを外した彼の顔は、蒼白状態でした。「出た……。出たんだよ……」
「何言ってんだよ。いつもの担ぎだろう。お前に見えるわけないだろ……」
と言って、わたしはバイクのエンジンをかけようとしました。しかし、なかなかかかりません。
「あれっ、おかしいな……さっきガソリンを入れたのにな」
「やっぱり……、冷やかしに来た俺たちに来るなといってるんだ……」
177 : t[sage] : 投稿日:2003/01/26 17:48:00
「冷やかしに来たのは、お前だろ……」再度キックするとエンジンはかかりました。
「じゃ、ひとっ走りして見てくるわ」走り出して、7~8分位すると、なにやら山の雰囲気が違います。
いつもの生き生きした躍動感なく、時間が止まっている感じです。
「まずいな……やっぱり近くにいるぞ……」つぎのコーナーを曲がった時、それは的中しました。
肩のもげている者、足がへし折れている者、頭が潰れている者、全身ただれている者……。
上げたら切りが無い程の人たちが、ボロボロの状態で列を成し、奥へ奥へと歩いています。
「うわ…、これはまずい……、気付かれないうちに戻ろう」出来るだけ静かにバイクを停止し、Uターンをしました。
いや…気付かれてはいるのでしょうが、こちらへは近付こうという気配はありませんでした。
戻ると友人が心配そうに待ってました。
「な……」
「うん……」
わたしたちのやっと出来た会話はこれだけでした。言葉少なく、わたしたちはコースを変えました。
それ以来、この夏の時期はそこを通ることはしませんが、今も出るんでしょうか……。
自分の身体を求めて……。
178 : あなたのうしろに名無しさんが・・・[] : 投稿日:2003/01/26 18:59:00
近所に住むTさん一家が夏休みに車で旅行した.
初日に泊まった温泉から有料道路で山を越え,二日目は日光方面を観光して泊まる予定.
有料道路は木が生い茂る山裾を延々と続いており,途中で駐車できるスペースを見つけて小休止した.
休憩が終わってしばらく走っていると,どうも見覚えのある場所があった.
奥さんと子供たちは「ここはさっき通った場所だよ」と言い,Tさん自身もそんな気がする.
休憩した場所から逆走したのだと思って車をユーターンさせた.
走り続けてやっと有料道路が終わり,人家やホテルもチラホラ見えてきた.が,道路案内のカンバンを
見て一同唖然.
そこは今朝出発した温泉街だったそうだ.
at 19:00│Comments(0)│心霊