2016年03月31日

腕が現れたのはその日一日のみだった

594 : あなたのうしろに名無しさんが・・・[] : 投稿日:2003/06/27 17:38:00
小学生のころ、私はよく祖父母の家に遊びに行っていた。 
家の近所には貯水槽があった。 
安全のため鉄格子で蓋をしてあり、その上からさらに金網をかぶせてある。 
鉄格子も金網も赤茶色く錆びていて、 
溜まっている水も暗く濁っており、縁には藻類が繁茂している。 
背後にはすぐ雑木林が茂っていて、薄暗い場所だ。 
今思い出しても気味の悪い場所であった。 

 


だが、当時の私はかぶせてある金網に乗って 
トランポリンのように飛び跳ねて遊んだりしていた。 

ある日、ふと水の中を見ると、ぼんやりと白くて長いものが見えた。 
不思議に思い、目を凝らすとそれは人間の腕のように思えた。 
色は真っ白。肩から先のみで、肘の関節が45度くらい曲がっている。 
そして先端には菱形のシルエットがうかがえた。 

ここまでだと普通かもしれないが、 
水の中のそれは一際異彩を放つ特徴を持っていた。 

物凄く長いのだ。 

腕だけで当時の私の身の丈ほどもあろうかという長さだ。 
そしてゆらゆらと揺れている。 
私は棒切れを手にとり、金網の隙間からそれをつついてみた。 
軽い。まるで手ごたえがないようだった。 
しかし型崩れすることもなく、やはり動きは腕のようであった。 

腕が現れたのはその日一日のみだった。 


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at 15:00│Comments(0)心霊 

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