何か変だ次はあんたの家じゃない?

2016年04月11日

非常に体の弱い少年

290 : あなたのうしろに名無しさんが・・・[] : 投稿日:2003/06/29 22:16:00
微妙にガイシュツのような気もするが、昨日飲み屋のねーちゃんから聞いた話。 
ガイシュツだったらゴメソ。 

・・・ 
とある小学校に非常に体の弱い少年がいた。 
その少年が病弱なことは学校でも承認されており、体育の授業はいつも見学だった。 

その学校では毎年秋になると、校内マラソン大会が恒例の行事となっていた。 
小学6年生になっていたその少年は、小学校の最後の思い出にと校内マラソン大会に出場したいと言い出した。 
少年の両親は反対したが、少年の意志の固さに負け、学校側にマラソン大会に出してもらうように願い出た。 
もちろん学校側は、何かがあっては問題になると反対したが、両親の強い説得にしぶしぶ出場を認めた。 
かくして病弱な少年は、校内マラソン大会に参加することとなった。 




291 : 290[] : 投稿日:2003/06/29 22:17:00
そして秋の校内マラソン大会当日。 
少年は学校の教諭たちや小学生の父兄たち、そして同じ小学生からも一躍注目の的となっていた。 
特にその少年の担任の先生は、自分の生徒ということもあり、 
少年の勇姿を記録に残そうとカメラを持参していた。 
何かあってはいけないと、学校側は担任の先生を少年と一緒に走らせることにした。 
周りの人が病弱な少年に熱い視線を注ぐ中、ついに校内マラソン大会はスタートした。 

校庭のトラックを一周して校門から出て、学校の周りの町内をぐるりと一周。距離にして5km弱。 
少年はちょっと走っては歩き、ちょっと走っては歩きを繰り返した。 
担任の先生は少年を励ましながら、懸命に走るその姿をしきりにカメラに捉えていった。 
そして校内に続々と小学生たちがゴールインしていき、残すはその少年だけとなった。 
リタイヤしたのではないか?どこかで倒れているのではないか?と一同が心配する中、少年は帰ってきた。 
小走りしては歩き、小走りしては歩きを繰り返し、少年は懸命にゴールを目指した。 
ゴールには少年のためにテープが張られ、周りの人たちは懸命にゴールを目指すその姿を息を呑んで見守っていた。 
そして、少年はついにゴールのテープを切った。 
周りからは歓声があがり、病弱な少年へ惜しみない拍手が送られた。 
担任の先生や同級生たち、そしてその少年の両親は少年を取り囲み、皆賛美の言葉を送った。 



292 : 290[] : 投稿日:2003/06/29 22:18:00
しかし、やはり無理が祟ったのか少年はその晩容態が急変し、そのまま帰らぬ人となってしまった。 
だが、両親は学校側に責任を押し付けるようなことはしなかった。 
自ら出場したいと言い出したマラソン大会に出場でき、かつ完走し、 
人生最高の頑張りを見せた息子に悔いはないと、少年の気持ちを汲んだのだろう。 
少年の葬儀が終わり、担任だった先生は少年の最後の勇姿をと、 
マラソン大会で自らが撮ったフィルム一本分に及ぶ写真を少年の両親に渡した。 
写真はマラソン大会のスタートからゴールまで時系列で並べられていた。 
両親は一枚一枚写真をめくり、自分の息子の一番輝いていた時を目に涙を浮かべながら見た。 
スタート前の緊張した面持ちの少年、校門から元気良く飛び出す少年、 
顔を真っ赤にして走る少年、額にいっぱいの汗をかきながら走る少年・・・ 

そして両親が最後の一枚を目にしたとき、自分の息子を懐かしむ目が驚愕の表情に変わった。 

病弱だった少年が、少年のためだけに張られたゴールテープに飛び込む写真、 
その背景、少年に賛美の拍手を贈っているはずの教師、父兄、小学生たちの手が、 
『拍手』ではなく、『合掌』になっていた。 

~ 終 ~ 



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at 11:00│Comments(0)心霊 

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