2016年04月30日

人間国宝

818 : あなたのうしろに名無しさんが・・・[] : 投稿日:2003/08/01 20:18:00
「人間国宝」 
あるところに、新人ヤクザの謙吾という男がいた。そいつは、ヤクザの貫禄を出すために刺青を 
いれたいと常々思っていた。しかし、金が全然無い。しかし、刺青をいれたい! 悩んだ謙吾は 
「どんなにしょぼい刺青でもイイから、だめでもいい。タダでいれてもらおう」と考えた。 
とにかく、刺青入れてもらおうと、店に行った。 もちろん、断られた。しかし、どうしても 
入れて欲しい謙吾は、店の店員と交渉を続けた。その時、店の奥からしょぼくれた爺さんが現れた 
実はその爺さん、幻の彫物師として有名な源五郎という男だった。源五郎は、謙吾の背中を見るや否や 
「この背中、私の芸術家魂を掻き立てる!タダでいい、是非彫らせてくれ!」といいだした。 
なにはともあれ、謙吾は有名な彫物師にタダで刺青を入れてもらった。背中いっぱいに。謙吾は喜んだ 
 後日、源五郎が死んだ。すると芸術界が、「謙吾の背中の刺青は源五郎氏の遺作であり最高傑作だ! 
この刺青は後世まで永遠に遺しておくべきだ!」と騒ぎだした。 
 後日、謙吾の背中の刺青の素晴らしさが、国際的に認められ、謙吾自身が人間国宝として認められた 
すると、直後から謙吾の周りにSPがうろつき始めた。刺青を守るためである。 
謙吾はSPに段々と苛立ちを感じ始めた。(続く 



819 : あなたのうしろに名無しさんが・・・[] : 投稿日:2003/08/01 20:19:00

そんなある夜、謙吾とその彼女とがやっていた。彼女は執拗に背中をいじくった。 
「こんな刺青があるからへんな人がいるのね」とかなんとか言って、女は刺青に爪を立てた。 
すると、部屋に隠れてたSP達が2人を包囲し、女は逮捕されてしまった。 
謙吾は次の日から、SPをまくため、逃亡を図った。逃亡は見事に成功した。 
謙吾はSPがこなさそうな田舎びた一軒のラーメン屋へ昼食を摂りにいった。 
店のテレビでは、ニュースをやっていた。そのとき、スタジオが俄かにざわめき始めた。 
謙吾はテレビを見つめている。キャスターはニュースを読み始めた。 
「臨時ニュースです。先日人間国宝に任命されたXX謙吾さんが、逃走し行方不明になりました 
この事態に警視庁はXX謙吾さんに、懸賞金300万円を懸け、市民の情報を募っています」 
 店の客の目が一斉に謙吾に向けられた。「300万」「300万」謙吾は店を飛び出した 
が、外にも懸賞金の話の話を聞いた老若男女であふれかえり、彼は土地勘の無い町を 
走りまくった。(続く 



820 : あなたのうしろに名無しさんが・・・[] : 投稿日:2003/08/01 20:20:00
やがて、謙吾は自動車の廃棄場に辿り着いた。追っ手も無い。謙吾はここにいることにした。 
夜になった。謙吾はドラム缶に火を焚いた。ふと謙吾は考えた「こんな刺青があるから、人に追われるんだ! 
こんな刺青があるからあいつ(女)ともうまくいかなくなったんだ!! 
こんな刺青があるから俺の人生がめちゃくちゃだ!!!」 
謙吾はドラム缶の中の一本の焼けた木を手に取った「こんな刺青!焼き消してやるぅぅぅぅ!!!!!」 
その時、真っ暗闇の廃棄場が眩いほどに明るくなった。よくみると、照明。 
謙吾はあっけにとられた。すると、何千、何万もの人が謙吾に近づいてきた。 
「君は、国宝であるその刺青を焼き消そうとした。君をもう自由にするわけにはいかない!!」 
SPは拡声器でいった。謙吾はあっというまに人の波に飲まれた。 

人気の無い博物館。そこにカップルが現れた。そして2人は硝子のショーケースに飾られた一人の男を見た。 
「なんだこれ?」「これ?刺青の人だよ!」「あぁ~そういえば」2人はその場を立ち去った。 
博物館はまた静かになった。 



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at 11:00│Comments(0)心霊 

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