2016年07月17日
目の錯覚かと思って、よくよく目を凝らす
729 :潜水士 ◆MK4bj1r2OY [sage]投稿日:2005/08/16(火) 22:23:45 ID:jEoRcu7y0[1/2回(PC)]
高校3年生の夏休み、私はわざわざ電車通学までして予備校に通っ
ていた。その日はゲームセンターで遊んでいて、帰りがすっかり遅くな
ってしまった。
自宅の最寄り駅に着いたのが午後10時。下りたのは私だけだった。
プラットホームには外灯がポツンポツンといくつか点在していて、その
ひとつが点いたり消えたりしていた。蛍光灯が切れかかっていたのだ。
改札口へ向かう途中。ふと点滅を繰り返す外灯に目を遣った。
外灯の明かりが消えた瞬間、その辺りは真っ暗闇になる。その暗闇の
中にぼんやりと浮ぶ人影があった。人影は明かりが点くと消えてしまう。
目の錯覚かと思って、よくよく目を凝らす。
730 :潜水士 ◆MK4bj1r2OY [sage]投稿日:2005/08/16(火) 22:25:35 ID:jEoRcu7y0[2/2回(PC)]
明かりが消えた瞬間、確かに暗闇の中に人影が浮んだ。
それは、日本兵の姿をした男性たちだった。
彼らはただ真っ直ぐ、険しい目をして海を見ていた。
(その駅は海の近くにあって、プラットホームから海や海岸が見える)
私は飛び上がって驚き、走って逃げた。
戦時中、召集に応じた男性たちを駅のプラットホームから送り出して
いたという話を後に聞いた。
終わり
at 13:00│Comments(0)│心霊