2016年12月07日
逆光で顔は見えないが、父だった
125 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2007/07/31(火) 14:49:55 ID:TFRmX+pv0 [2/3回(PC)]
ついこの前、やっと49日を終えたばかりだけど父が亡くなった。
癌だったけど、合併症が死因で、最後の2週間は私と姉と、姪と娘が疲れきっていた母の代わりに
看病した。その間、色々な不思議な事があったけど、ここでは根拠がないとこじつけだと書くのが
居るからそこは止めておくね。
毎日父を想い、皆が泣いて過ごした。
ああしておけばよかったとか、こうしてあげたらよかった。あと何年生きていてほしかったとか、
悔やむ事ばかりだった。 あと数日で49日というある日の明け方、何かの気配で目が覚めた。
うっすらと朝日が昇りかかっている逆光で顔は見えないが、父だった。
126 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2007/07/31(火) 15:05:26 ID:TFRmX+pv0 [3/3回(PC)]
お父さん、今でもどこか苦しい?痛い?と尋ねた。
何も云わないので痛い所があったら手で指してと云うと、これまでよくしてきた癖で、首をひねっている。
いつも今日の具合はどう?と聞くと、生前、まぁまぁ。と云っては、そうよくもなく悪くもないという風に首をひねっていたっけ。
何か言いたいことがあるの?と、尋ねると
「みんなが泣くから逝きにくい」と、はっきり云った。
私ははっとした。以前、聞いたことがある。いつまでも後悔の念を送ると、死者も後ろ髪を引かれてこの世に未練を残して迷って
しまうって。 結果的には父を苦しめる事になるのにね。 執着を持つよう仕向けてしまったんだわ。
お父さん、このことは私からみんなに必ず伝えるよ。お父さん、いってらっしゃいって送るよ。
そう云うと、父は大きく何度も頷いていた。
他に何かまだ云いたい事はある?と聞いたら「ありがとう」と云った。そしてゆっくり消えて行った。
49日の法要の席で、親族皆にこの事を伝えた。
これからは、楽しかった思い出を語り、偲ぼうね、と。明日50日目に旅立つからいってらっしゃい!
と送ってね、と。 その事は皆に伝わった。
きっと思い残す事なく旅立ってくれたと思う。
at 21:00│Comments(0)│心霊