2016年12月05日

その祠は家の神棚くらいの大きさしかありません

81 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2007/07/22(日) 03:55:47 ID:O/+AmpWX0 [1/4回(PC)]
そんないい話というのものではないですが・・・ 

昨年の春先、仕事上の事で体力的というより精神的にまいって 
いた時がありました。 
同じような日々の繰り返しなのですが、それがかえって徐々に 
締め付けてくるように気持ちを蝕んできました。 

そんなある日、9時ごろに仕事を終えた私は、気分転換にひとつ 
となりの駅から帰ることにしました。 
となりの駅といっても徒歩20分もかからず、散歩に丁度いい 
といった所です。 
しばらく味気のない通りを進み適当な所で曲がると、昔ながら 
の住宅街という場所にでました。 
モダンな家も多かったですが、重厚感のある木造の家も幾つか 
ありました。 
まさに、昭和だな・・ 
そんな事も思いつつ、なんとなく懐かしい気持ちになって進むと 
左手に小さな祠を見つけました。 
その祠は家の神棚くらいの大きさしかありませんでしたが、 
近所の人が世話をされているのか綺麗に整えられていました。 
私は祠の真横までくると、なんともなしに祠に正面を向き、 
軽く会釈しました。

 


82 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2007/07/22(日) 03:56:36 ID:O/+AmpWX0 [2/4回(PC)]
すると、祠の左からヌッと大きな猫が登場したのです。 
猫好きの私ですが、さすがに少し驚きました。 
お世辞にも可愛いとは言えませんでしたが、トラ模様の立派な 
毛並みで、えらく落ち着いた貫禄を漂わしていました。 
祠より大きな体じゃないか、どこに隠れていたんだろう、 
それとも穴でもあるのかな。 
私がそんな事を考え、猫をじっと見ると、猫は「ナー」と 
言ってきました。 
まるで「何か用か」というような口ぶりです。 
私が黙って見ていると、また「ナー」と鳴きました。 
別に何か要求するという感じではなく、俺はこの辺の主だが、 
言いたことがあるなら聞いてやるぞといった雰囲気です。 

別に急いで帰宅する理由もないので、私は祠の前でしゃがみ 
猫と少し遊んで行くことにしました。 
ただ、なんとなく撫でさせてはくれないような雰囲気だったので 
お互い「にゃーにゃー」言うだけでした。



83 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2007/07/22(日) 03:57:40 ID:O/+AmpWX0 [3/4回(PC)]
「ナー」 
「ニャー(ただのとおりすがりです)」 
「ナー」 
「ニャー(ちょっとした気分転換ですね)」 
「ナー」 
「ニャー(少し疲れてます・・・)」 
いい年して我ながら間抜けな姿ですが、落ち込んでた私には 
妙に楽しく感じました。 
でも、すぐに人が来てしまったので、危ない人と思われたく 
なかった私はすぐに打ち切りました。 

その時、すぐに視線を祠に戻したのですが不思議な事に 
猫はいなくなっていました。 
(あれ?) 
なんとも不思議でしたが、そこは小さな祠だけが静かに 
構えてあるだけでした。 
まあいいかと思い、それでも少し気分が楽になった私は 
駅に向かいましたが、隣の駅とはいえやはり帰宅ラッシュは 
続いています。 
でも、なぜか乗った駅から座れたのです。



84 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:2007/07/22(日) 03:58:31 ID:O/+AmpWX0 [4/4回(PC)]
珍しいこともあるもんだな、と思って普通に座っていたのですが、 
2つくらい駅を過ぎたところで、となりに座っていたおじいさんが、 
「大丈夫、あなたが頑張っているのはみんな知ってるよ。 
もう少しだから」 
と言って降りていきました。 
(えっ!何!わ、私に言ったの?) 
おじいさんは普通の人だったと思います。 
さすがに少しは気味悪かったですが、嫌な事を言われた訳でも 
無いので特に何するでもなく流しました。 

2ヶ月後、本当にいろんな事が好転しだした私は、休日に 
祠に挨拶に行きお礼を言いました。根拠はありませんが、そう 
したくてたまらなかったのです。 

猫はいませんでした。


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at 16:00│Comments(0)心霊 

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