2016年10月08日
孤独な娘は次第に生き別れた妹に興味を持ち始めた
900 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:04/11/23 10:53:49 ID:W0wf1Dnw [1/2回]
あるアパートの一室で母娘が貧しいながらも平和に過ごしていた。
夜更け、いつものように疲れた母と娘は眠っていた。
と、そんな夜分遅くにドアをノックする音がした。
娘がドア越しに声をかけても返事はない。覗き穴を見たら既にそこに人は居なかった。
珍現象はその次の日も起こった。深夜の訪問者に今度は母親が話しかけたら
ただ一言、
「お母さん……」
と幼い女の子の声だけが聞こえ、ドアを開けてもやはり人影は見えなかった。
毎晩、夜中の2時ごろになるとドアのノックが聞こえ、母娘いづれかが応対に出なければ、
それは止むことがなかった。
娘はストーカーの類だと思い、警察に通報しようとした。
だが母は何かしら心当たりがあるようで、それを止めた。
「お母さん……」
いつものように、ノックと声だけの訪問者が去ったあと、母は娘にこう打ち明けた。
「幼すぎて覚えてないでしょうけど、あなたにはね、昔二つ違いの妹が居たのよ。
でも、もう死んでしまったの……。」
901 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:04/11/23 10:56:23 ID:W0wf1Dnw [2/2回]
孤独な娘は次第に生き別れた妹に興味を持ち始めた。
もう一度、会ってみたいと思うようになっていた。
一週間後の晩、娘は鳴り止まぬノックの音に決心した。
訪問者には今まで声をかけてから、覗き穴を見たり、ドアを開けてその姿を確かめていた。
ノックの最中にいきなりドアを開ければ、姿が見れるかもしれない。
「コンコン、コンコン……」
意を決してドアを開けてみると、そこにはどこか懐かしい女の子が立っていた。
幽霊と呼ぶには相応しくないくらいに、血色もよく無邪気な微笑みを湛えていた。
姉は嬉しさの余りドアを閉めるのを忘れて、生き返った妹を中へと招き入れた。
姉妹と母親は再会を喜んだ。
途中、姉は開け放したままのドアを思い出し閉めに行った。
バタン、とドアを閉める音がしたきり、しかし姉は戻ってこない。
死んだ妹の代わりとなった姉は束の間の再開の後、二度と戻ってはこなかった。
at 16:00│Comments(0)│心霊